暴走族に愛された不登校女子。
家に入ると直樹がバイクの鍵をもう1度握っていた。
「ちょっと、散歩行ってくる。お前は待ってろ」
「うん」
言われた通り、家の中で待機。
正直一人になりたかったし、好都合かな…。
静まり返った部屋を見つめて、とりあえずソファに座った。
携帯を開くと蒼太から1件のメールが受信されている。
それを開こうとしたとき。
プルルルルッ―…。
突然電話が鳴ってその相手を見れば蒼太だった。
電話に出ると明るい声が聞こえた。
『もしもーしっ! 蒼太マンがやってきたぞ~!』
「っぷ…、何それ。懐かしい~!」
『覚えてた?? 蒼太マンが登場すると、杏はいつも元気になるからな!』