暴走族に愛された不登校女子。
それでよく怒られたことを思い出す。
『やべっ! 母ちゃんの顔こっえー! じゃあ、杏! 明日の10時集合な』
「うん、じゃあおやすみ」
『おう、おやすみっ!!』
プツッと一瞬で切れる。
これは相当怒られているだろう。
(ふと思ったけど、この家ってやっぱ電気代とかかかるんだよね?
それにあたしの食事代だって…)
学校なんて、もう行きたくない。
このまま行かなくたっていいじゃないかと思う。
だけどお母さんは未だに、養育費を出しているのだ。
そういうところは本当に変わらない。
そうは言ってもあたしは教室に入れないかも知れない。
一度あんな世界を見たら…。
その時玄関が開く音がした。