暴走族に愛された不登校女子。
「智なら、嘘はつかないって信じてたから」
それを聞いて、あたしは目を見開いた。
「…でもアイツは裏切った」
直樹が悔しげに、口元を引き締めた。
「……昔と同じじゃねぇかよ」
「え?」
「今はまだ、知らなくていい。行くぞ」
「うんっ…」
1日ぶりのバイクを見つけて、あたしは駆け寄った。
「たった1日でも懐かしいや…。もう乗れないと思った」
「俺が馬鹿だったんだよな…」
「直樹…?」
「何でもねぇ」
あたしを抱き上げてバイクに乗せてもらう。
目を閉じると智さんの悲しげな表情が甦ってきた。
(ごめん、ってどういう意味…?)