暴走族に愛された不登校女子。
本当に大事だったのは、
皆の笑顔だった。
「…もういいよ!
ここでくよくよしていても、何も変わらないんだから」
「…そうだよな」
「うん!」
あたしは元気を取り戻すように、笑顔を作った。
ふと視線を落とすと、テーブルの上に置手紙を見つけた。
「何これ」
「ん?」
直樹も気になるようで、一緒にその紙を見つめた。
「…え?」
そこに書かれていたのは、驚くしかない言葉だった。
『杏へ。俺と静で、お前の母さん見つけてくる。
学校にはどうにか言っといて』