暴走族に愛された不登校女子。
その後は歯を磨いて着替えを済ませた。
「俺の布団使え」
「直樹は…??」
「一緒に寝るに決まってるだろ? 今は11月なんだぞ」
「はぁ…」
「ンだよ。嫌なのかよ」
「いや…ただ、慣れなくて」
「アイツとは寝たのか?」
「っへ?」
布団にのそのそと入ると、直樹がまた暗い顔をしていた。
(直樹ってヤキモチを妬いてくれてる…?)
「さっき話しすんなって言ったじゃんか」
「あれはあれだ。今は今の話だろ」
「凄い言い草だ…」
「は?」
「いえ。蒼太とは一緒に寝ていません」
恥ずかしい。自分は何を言ってるのだろう、と頭を抱えたくなった。
あたしの言葉に直樹は優しく微笑んでいた。
「ならいい。俺も寝る」
布団に入ってきて、また抱きしめられる。
その温もりに緊張するはずなのに、不思議とぐっすり眠ることが出来た。