暴走族に愛された不登校女子。
* Story 15 *
-杏-
「そうだったんだ…」
直樹は全部を話すと、すっきりしたように微笑んだ。
「まぁー…、アイツのことだから。
また溜め込んでるんだろ」
「そうなのかな…?」
「明日、聞いてみる」
「また教えてね? 心配だから」
「おぅ」
気づけば明け方で、太陽の光がカーテンから差し込んでいた。
「俺等、本当に少ししか寝てないな」
「確かに」
「まぁ、無理すんなよ」
「ありがと」
あたしは起き上がると、智さんのことを改めて考え直した。
(やっぱり……、智さんは復讐を果たしたいのかも知れない)
そう思った理由がまだよく分からないけど、あたしは直接智さんと話がしたいと思った。