暴走族に愛された不登校女子。
「…小呉?
あんた今日、変じゃない?」
「いや? 何もないよぅ?」
あたしが教室を開けると、皆の視線が集まった。
ぶるっと身震いするほど皆の視線が、凄く痛い。
「…アイツ、やっぱ来た。
小呉、あんたが苛める理由あるんでしょ?
だったら行けば?
何、びびってんの」
あたしはその声の主に、視線を向けた。
「な、何で…」
思わず声を零した。
そこにはあたしの古い傷跡を残した本人がいた。
「久しいわね、湯口」
小学生のときにあたしを苛めていた美沙という少女だった。