暴走族に愛された不登校女子。
「小呉は何も言い返してこないから、うざったかった。
だから言葉の圧力で、学校を停学させた。
それなのにさぁー…。
湯口はしぶといよねぇ。
まるで虫みたい」
ずばっと言うところが、美沙の性格だ。
「どうして美沙がいるの…?
違う高校だったでしょ…」
あたしは本当に、美沙が一番嫌いだった。
自分の気に入らないものを排除して、気に入ったものはとことん利用する。
気に入らないものを消すために、美沙は言葉で消していった。
人の“弱み”を握り締めて、それで追い詰める。
あたしの場合は、家庭環境と顔だった。
『アンタの顔、醜いよ? え、可愛いとか思ってた?
っは…それはないかぁ。だってアンタの性格暗いしネガティブだし?』