暴走族に愛された不登校女子。








「小呉は何も言い返してこないから、うざったかった。


だから言葉の圧力で、学校を停学させた。




それなのにさぁー…。

湯口はしぶといよねぇ。




まるで虫みたい」







ずばっと言うところが、美沙の性格だ。


「どうして美沙がいるの…?




違う高校だったでしょ…」




あたしは本当に、美沙が一番嫌いだった。


自分の気に入らないものを排除して、気に入ったものはとことん利用する。





気に入らないものを消すために、美沙は言葉で消していった。






人の“弱み”を握り締めて、それで追い詰める。



あたしの場合は、家庭環境と顔だった。



『アンタの顔、醜いよ? え、可愛いとか思ってた?



っは…それはないかぁ。だってアンタの性格暗いしネガティブだし?』



< 197 / 304 >

この作品をシェア

pagetop