暴走族に愛された不登校女子。
美沙はまた、笑う。
「この学校に転校してきたの。
アンタと小呉がいるって、聞いてね」
「…まだ苛めたいの?」
あたしが言うと、小呉も小さく声を出した。
「もうやめて…、うちをからかうのはもう嫌だ…」
あぁ…。
あたしも小呉も、本当は似ているところがあるのかも知れない。
散々今まで、苛められたけど。
それは小呉も苛められてきたから耐えられなかったのだ。
今更だけど、
あたし達には弱いところがあって。
それはどうしても、拭えないほど深い傷もあった。
「苛めるために来るわけないでしょ?
2人の大事な人を奪いに来たのよ」