暴走族に愛された不登校女子。
それを聞いて、あたしも小呉も震えた。
「やっ、やだやだやだぁああっ!
お願いっ…。
やめて…」
泣き叫んだ小呉を見て、あたしは小呉の前に立った。
「奪うって、どうやって?」
美沙に対して、言い返すなんて本当は怖い。
怖いけど…。
でも…。
直樹だけは、絶対に奪われたくない。
あたしはもうお父さんのように、かけがえのない人を失いたくないのだ。
「へぇ? 結構成長したのね。
奪うって…そりゃぁ、カラダでしょ?
それ以外、何があるの?
カラダの相性が悪かったら、お互い冷めるじゃない」