暴走族に愛された不登校女子。
* Story 16 *
それから小呉とは、次第に打ち解け合えた。
あたしにとっては、初めての女友達かも知れない。
まだ全部を許せたわけではないし、直樹だって苛められていた人と友達になることは反対するだろう。
でも小呉は、きっと悪い子じゃない。
家庭環境が裕福すぎたから、
自分のことしか考えられないお嬢様に育ってしまったのだ。
そんなことを思いながら、一日を終えた。
次の日、直樹が隣で寝ているのを見て、少し不安になった。
「もし…」
もし直樹と美沙が抱き合うことになったら…。
直樹が美沙を好きになったらって考えると、不安になる。
本当なら、直樹を信じて何も考えないことが一番なはずだけど。
相手が美沙になると、不安でしょうがないのだ。