暴走族に愛された不登校女子。




(…16年間生きてきたけど…初彼…初同居…)


いっぱいの嬉しさが込み上げる。





だけどその反面では、




大きな不幸があるのではないかと思ってしまう。






「…あ」



つい声を零してしまった。目の前にいた人は携帯に視線を落としていた。
だけどすぐにこちらを振り返る。







「昨日、どこに行ってた?」



「…蒼太」





幼馴染の彼は心配げに見つめていた。




優しい声だけど、いつもより顔が険しい。







「彼氏ンとこ…」



「…え?」






怖い声が聞こえて、足が竦みそうになる。







「それだけっ! じゃあね!!」




そのまま電車に乗り込んだ。蒼太も乗ったけど、さすがに人が多くて話しかけて来なかった。




< 23 / 304 >

この作品をシェア

pagetop