暴走族に愛された不登校女子。
しかし兄貴は帰って来た。
俺の傷だらけでも少しだけ和らいだ世界が、
一瞬で粉のように散った気分だ。
「皮肉」っていうのは、
こういうときに使うのだろうか。
「…彼女と逃げたんだけどな。
アイツ前に学校で苛めていたヤツ、見つけたらしくて。
そのときにやっと俺に本性を見せてくれたんだぜ? 彼女が戻りたいって言うなら叶えるのが彼氏の役目じゃねぇか。
俺が戻ってきて嬉しいだろ…? 2番目の弟」
母さん。
やめてよ。
そんな悲しい表情で、俺を見ないでくれ。
俺だって嫌だよ…。