暴走族に愛された不登校女子。
* Story 18 *
-杏-
直樹の学校まで、何とか電車で来ることが出来た。
それでなんだけど…。
この学校は男子校だってことを忘れていた。
「アンタ…足、速いわよ…」
「えっ、小呉!?」
すぐ後ろから声が聞こえたかと思えば、必死に着いてきた小呉が肩で息をしていた。
「心配で着いてきたわ」
「…言ってくれたらいいのに」
「…うちだって言いたかったわよ。
でも凄い追い詰めてる顔だったし、
言おうにも言えなかったのよ」
「でも…心強いよ」
「でしょう? それで聞くけど、ここどこなの?」