暴走族に愛された不登校女子。
「美沙と彼氏がいるところ」
「…え?」
目を見開く小呉に言葉を続けた。
「ねぇ、チャンスって言ったよね?
美沙を復讐じゃなくて、見返すのよ」
「待って…、ここうちのお兄ちゃんも通っているわ」
「ぇえ!?」
「でもこんな悪いところにいたのね…」
「…やだなぁ。会いたくないや」
あの人にやられたことを思い出して青ざめる。
「会ったらうちが言うわ。
別居している人だし、呼んだら来るくらいなの。
今までのことを謝ろうとは思っていたのよ」
「しょっちゅう会っていそうなイメージだけど…」
あたしの言葉に小呉は目を伏せた。
「たまにしか会わないわ」