暴走族に愛された不登校女子。
* Story 19 *
-直樹-
「…」
状況が読めない。
俺の目の前には嵐が倒れていた。
その近くに、アイツがふらつきながら嵐を見下ろす。
「…ったく。いってぇことしてやがって…」
豹也の頬が、かなり腫れあがっている。
恐らく嵐が殴ったのだろう。
「嵐…」
「お前、誰だよ」
「直樹だ」
俺が言うと、アイツは目を開いてどこか楽しげに口角を歪めた。
「…俺のライバルの友達か」
「ライバル?」
「……智ってヤツがライバルなんだ」