暴走族に愛された不登校女子。
豹也が逆に、智と柏に殴られている。
俺はまだ立ち上がれずに見ているだけだ。
そんな時―…。
「智!」
光が見えた気がした。
豹也が倒れこんだとき、その光は智に抱きついて―……。
「ごめんなさいっ…、ごめんなさぁい…」
泣きながら、智を呼ぶ女がいた。
それは俺が知っている、智のことを誰よりも愛していた女だった。
「直樹!」
そして、俺を呼んでくれた声がすぐ傍で聞こえた。
全てが幕を閉じたのだと分かって、俺の瞼はゆっくりと閉じていった。