暴走族に愛された不登校女子。
*大好きだよ*
* Story 20 *
慌てて直樹から離れると、少し不機嫌そうにこちらを見た。
「私は、あんたに借りあるし…」
美沙が気まずそうに俯いた。
「智さんの前では、いい子になるんじゃなかったの?」
「もうやめたわ。
素の自分を好きになってもらいたいの」
「そっか」
少しだけ、美沙が微笑んだ。
でも直樹はむすっとしたままだ。
「智、てめぇ…。軽い気持ちでコイツにキスしたのかよ」
「…あれはノーカウントで」
そう苦笑した智さんにむかついたのか、直樹が立ち上がろうとした。
でもまだ傷口が痛むみたいで、顔をしかめていた。
「2度とすんなよ、アホが」