暴走族に愛された不登校女子。
「あれ、そうなの?」
あたしが聞くと、小呉は小さく頷いた。
「お前、柏と知り合いだっけ」
直樹が不思議そうにすると、小呉は小さくまた頷いた。
「さっき知り合ったのよ、学校でね」
「へぇ? 顔、赤いけど」
直樹の言葉に、小呉の頬がどんどんピンク色に染まっていく。
「バッ、馬鹿ね! うちはお兄ちゃん一途だもん!」
「あーぁ。本音出ちゃったかぁ?」
「っ!!」
あたしは直樹の頬を軽くつねった。
「やめてあげなよ、全く…」
すると急にあたしを抱きしめた。
「これでやぁーっと、ライバルが1人減ったか…」
「え?」