暴走族に愛された不登校女子。
「直樹の誕生日いつ?」
「俺?」
「うん。それで気になって見てただけだよ?」
「…ふぅん」
直樹が少しだけ頬を赤くした。
「直樹?」
「ふん、別に何でもない。
俺の誕生日は、12月19日だ」
「あ、そっか。もうすぐだね」
「おぅ」
学校の支度を終えて、部屋を見渡した。
「ストーブないの?」
「んだ? それ。コタツのことか?」
「ううーん…違うんだけど」
「コタツならあるぞ」
上着のチャックを開いて、意地悪そうに微笑んでいた。
「いやいや。そういう人の体温をコタツとは言わないんだよ…」
「まぁな」
「あたし寒くて朝起きれないかも…」
苦笑して言うと、直樹があたしの頬をつねった。
「いひゃい…なにすうの…」
「この俺がいるんだから寒くねぇ。それにお前なら俺の朝ごはんを作るために起きれる」