暴走族に愛された不登校女子。
*守るから、大丈夫だよ*
* Story 3 *
-直樹-
「ふぁ…、今日も暴れたな…」
「本当だよ。お前は…」
俺は友人の智(トモ)と喋りながら、駅に向かっていた。
「あ…? ンだよ、このメール」
「どした、直樹」
俺の携帯に連絡が入り、何事かと見れば杏からだ。アイツからなんて珍しいから、余程のことなのだろう。
「…直樹、これって…」
俺はメールを見て、驚くしかなかった。
そこには杏が気絶して、ロープで縛られている写真が写っていたからだ。
「…これは喧嘩上等じゃねぇか。智、お前も行くぞ」
「へいへい…、しかし相手は直樹がどんなヤツか知らないで送ったんだろうなぁ」
「おい、ぼさっとしてねェで行くぞ!!」
智はマイペースな所が多い。
だけど今は、それにつっこみを入れている場合じゃない。
「杏をやっぱり1人にするんじゃなかった!」
「…杏? あの、知り合いですか?」