暴走族に愛された不登校女子。
* Story 5 *
「そんな感じかな。蒼太は」
「ふぅん…」
直樹の機嫌が少しだけ戻る。あたしも小さく息を吐いて落ち着いた。
「ほら、出来たぜ」
「これがあたし…??」
「可愛いだろ?」
「…」
また、顔が熱くなってしまった。
直樹のことは出会ってすぐに、好きになったのだと思う。
蒼太に対しての思いがなくなったわけではない。
きっとお兄ちゃんみたいな気持ちに変わりつつあるのだろう。
「ほら、行こう」
みつあみで結われていて、毛先が少しだけ巻いてある。
緩めの真っ白なワンピースを着て、上着を羽織る。
「マジで…不安だわ」
「え?」
「可愛すぎんだよ」
そう言って、直樹の唇が首筋に触れて一瞬痛みを感じた。