暴走族に愛された不登校女子。
* Story 7 *
「……で?」
空き教室に入ったとき、予鈴が鳴り響く。
そんなこともお構いなしに、直樹は問い詰めてきた。
「だからー…、蒼太と同じで静くんも幼馴染なの! ほら、戻ろうよっ」
「……駄目」
「え?」
「お前が俺以外の男といんの、すんげぇ嫌なんだもん」
「我がまま…」
「別にそれでもいい。お前が俺の傍にいてくれるならな」
いつもなら意地悪そうに笑うのに。
何で今日はそんな寂しそうな顔をするのだろう。
「あたしが好きなのは直樹なんだよ…」
「知ってるわ。じゃあほら」
まだ拗ねているのか不機嫌な顔をしたまま、あたしの手を掴んだ。
直樹の唇に、あたしの指先が触れる。
「な、直樹っ」
「しろよ…。じゃなきゃ、俺が好きなんて分からないんだよ」
「…何それぇ」