暴走族に愛された不登校女子。
「まぁ、座ってくれよ」
「おー」
直樹があたしの手を握り締めた。少し冷たかったけど、やっぱり安心する。
「椅子、1個ねぇけど」
直樹が言うと嵐さんは思い出したかのような顔をした。
「じゃあ直樹の膝の上に、杏ちゃんで」
「はい?!」
嵐さん!? ちょっと待ってよ…、てか。智さんも止めればいいのに、めっちゃ笑っているなんて失礼な人だ。
「来いよ」
「…」
地面に座るよりかマシだと思って直樹の膝の上に座る。
「かっる!」
「マジ? やっぱリスじゃね?」
智さんがそういうと嵐さんも頷いていた。
(あたし、ちゃんと食べてるのに…そんなに軽いのかな…)
「飯、食えよ。もっと」
「直樹達ほど食べれるワケないでしょ…」