Dear…

 「実は…あたしね、瀬戸のこと好きなんだ」





 突然、なんの前触れもなく、千夏ちゃんはそう言ったのだ。


 う、うそ…。


 暑さで頭がどうにかしてしまったのかもしれない。


 よりによって千夏ちゃんが、涼太くんのことを好きなんて…。


 あたしと、好きな人が被るなんて…。


 千夏ちゃん、本当?





 「え、本当に?」





 あたしより先に口を開いたのは、紗理奈だった。


 あたしは…呆然として、何も言えなかった。



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