Dear…

**********

 目を覚ますと、白い天井があった。





 「っ、凛!」





 声のほうを見ると、涼太くんが困ったような、安心したような、なんとも言えない表情を浮かべてあたしを見つめていた。


 あたし、何をしていたんだっけ。





 「大丈夫か!?…まったく、俺を追いかけて走ってくるなんてバカじゃねえのか。心臓発作起こして倒れたんだぞ、お前」





 そうだった。


 あたしは、確かに涼太くんを追いかけてたくさん走った。


 呼び止めて、大事なことは伝えずに倒れてしまったんだ。



< 46 / 54 >

この作品をシェア

pagetop