Dear…

　「バカじゃないよ…」





　あたしは、涼太くんにバカと言われたことを否定した。


　そしてこう続けた。





　「あたし…涼太くんにひどいこと言った。本当はあんなことが言いたかったわけじゃないのに、涼太くんを傷つけたから…ごめんね」




　「俺も…怒り過ぎたよ。無理に聞こうとして、ごめん」





　こうしてあたしたちは和解することができた。


　幸い、あたしの心臓発作は大事に至らずに済んだ。


　だけど…。


　あたしは、ずっと千夏ちゃんのことを応援するべきか、告白してしまうべきかで悩んでいた。


　涼太くんと歩いているのに、頭は千夏ちゃんのことばかりだった。