冷酷男子の溺愛
って、冷静になってる場合じゃなぁあい!!!!
えっ!?はあっ!?な、ななんで??
お客様専用の駐輪場ではなく、
明らかにプライベート感を醸し出しているわたしの家の車庫に止め出す彼。
「ちょちょっと待ったーー!」
「……ん?」
振り向く姿がお美しい。
ってそうじゃなくって!!
あなたがそこに置くと、わたしのチャリが置けないんですけどぉお!!
ってかまずなんで赤の他人のあなたがここにいるんですかぁあ!??
気が動転しすぎて、なんかもう変なテンションになってきた。
落ち着け、落ち着け、よし。
「家に何かご用ですか」
「……住み込みバイトです」
「────」
ま、ままままじか。は、え、へ?
わたしの頭はショート寸前、じゃない。
もう、ショートしてしまった。
どうしよう、言葉が理解できない。
右から左に流れるどころか、右にすら入ってこない。
あ、あああ、どうしてくれるんだ。
ーー 平凡な、でも平穏な毎日にとんだ美青年がやってきた。
しかも……
「……えっ、住み込みバイトって言ったよね。え、一緒に住むの?」
ーー待ちうけていたのはひとつ屋根のしたでの生活。
「……む、むむむりだし」
何だかとっても、嫌な予感がする。