冷酷男子の溺愛
……違いますから、別に構って欲しいとかそういうのじゃないんで大丈夫です。
まったく、不意に変なことを言うもんだから、少しだけ心臓が跳ねてしまったではないか。
なに、本当、やめてほしい。
そうでなくても、一緒にバスに乗ってるせいでヒジとかは触れてるんだから、これ以上刺激しないでくれませんか。
波打つ鼓動が早くなるのをごまかすように、こころの中で言い訳をし続けた。
「───……っ」
は?は?は?
本当にやめてほしい。
寝たよ、本気で、この人、寝た。
彼はわたしの肩にもたれかかって眠りにつきやがった。
……な、な、なんで。
やめてよ、心臓がうるさくなるから。