冷酷男子の溺愛
「ごちゃごちゃ言ってないでついてこい。来ないと殺す」
しかし、元祖冷酷男にそんな気持ちが通用するわけがない。
わたしの吐いた暴言は、3倍になって帰ってきた。
……あー、口わるっ。怖っ。
ーー
彼の様子を伺いながら、恐る恐る店内へと足を踏み入れていく。
「……うわぁ」
一歩店内に入った瞬間、綺麗すぎて思わず声に出た。
黒色をベースに、隠れ家的な構造になっている店内。
前に進めば進むだけ、奥深さが広がっている。
照明も、間接照明が使われていて、これなら店内に広がる独特の雰囲気も損なわれていない。
中華料理店のくせして
まるでフレンチのお店のようなクリーム色をしている家の店とは
外観も内観も全然違う。
さすが、としか言いようがない。