冷酷男子の溺愛



……あ、そして、壁にはレトロな絵画も飾ってある。


オシャレだなあ。すごい。


このお店は、何もかもが家の店とは違い優れていて目を離せないでいた。


もしかして瀬戸内くんは、この店を見て我が店を見直せってことを言いたかったんじゃ……


そうか、なるほどなるほど。


手をアゴに当て、うんうん、とうなづく。


大切な人ってお父さんのことか。


今すぐ変えないと家族全員

路頭に迷うよってか、なるほど、なるほど、ようやくわかったよ。



ぶつぶつひとりごとを呟いていると

瀬戸内くんは食べたい物が決まったのか店員さんを呼び出すボタンを押した。



ああ、このボタン我が店にも導入しろうかしら。


とっても使い勝手が良さそうなボタンに釘付けになっていると


「いらっしゃいませ────」





ーーとっても聞きなれている、だけど、すっごく懐かしい声がした。





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