冷酷男子の溺愛
「────拓、ちゃん」
「久しぶりだな、元気……だったか」
しばらく見ないうちに、背も高くなっていたし、声も低くなっていた拓ちゃん。
それもあってか少し男っぽく見える。
ははっ、それがなんか少しおかしくて笑ってしまった。
……おかしいね。
わたし、今度拓ちゃんに会ったら
わたしたち家族に死ぬほど心配かけたことをどついてやろうと思ってた。
一体何してたんだって。
なのに、拓ちゃんの顔をみたら、そんな言葉出てこないんだもん。
本当、おかしい。
ねぇ、拓ちゃん。
拓ちゃんの居場所はね、家にずっとあるんだからね。
いつでも帰ってきていいんだからね。