冷酷男子の溺愛





ーー生き別れを覚悟した兄妹たちは、めでたく仲直りしましたとさ。


全部、全部、瀬戸内くんのおかげで。




ーー



あたりもすっかり暗くなっていた。



「───じゃ、また今度な」

「うん、バイバイ。拓ちゃん」



今日のところは、遅くなっても困るのでとりあえず帰宅することに。



……わたしは拓ちゃんの大学への通学が心配だった。


だけどそんな気持ちも


「あ、俺いつも電車で一時間半はかかってたから、むしろ実家からのが近い」



という、衝撃の言葉で、一件落着。



……ま、ままじか。こんな近くに生息していたのか、拓ちゃん。


かなり、おおお驚いたじゃないか。

晴れて一緒に暮らせることになった。


だけど、拓ちゃんは散々お世話になったバイトの先輩に、こんなことでは顔向けが出来ず


とりあえず、ひと段落がつくところまで働き倒してから辞めることを告げるらしい。




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