冷酷男子の溺愛
・ 抑えきれない感情
ーー
「やふー!!」
ドアノブをひねると同時に、奴の布団に飛び込む。
「いって……まじなに。……出てけよクソガキ」
「ふふふ、襲撃デース」
「……はっ、マジ今何時?何してんの」
わたしの寝起きドッキリに、奴はなかなか良い反応を見せる。
「今日は何日何曜日だい、ほら言ってごらんよ瀬戸内さんっ」
両手を高く上げ、膝をついたまま、ドタバタする。
「……知奈、マジでどいて、そこどいて膝痛い皿割れた」
「やった、やった、わーい」
「ウザっ」
───am.5:00
わたしは瀬戸内くんの部屋に乱入して、ただ胸の内にある喜びをぶつけた。
「ななな、なんと!今日は!!」
「───知ってる。拓真くんが帰ってくるんだろ」
「な、ななな何でいうのさ!わたしが自分で言いたかったのに!」
「はぁ、昨日も言ってたろ……」
ふふふ、と思わず笑いが溢れる。
今日は……拓ちゃんが帰ってくる。
今日からは一緒に暮らすの。
嬉しい。すごく嬉しい。
やっと、わたしたち家族が、同じトキを刻むんだ。