冷酷男子の溺愛
「ねぇねぇ、瀬戸内くん」
「……」
「もう、朝なんだから起きて」
「……」
もう、時刻は午前6時を示していて、立派な朝。
だからもう起きればいいのに
あやつはまた眠りについた。
ちぇっ、今日はたくさん話したかったのに、なんてこった。
「…………」
静かに眠っている彼を眺めていると、
まつ毛まで長くて、本当顔が整っているなあと実感する。
「━━━起きろぉお、朝だぞおい」
だけど、それで容赦はしません。
やっと拓ちゃんも一緒に住むことになって、新しい生活が始まるんだから。
ひとりだけ、特別扱いはしないよ。
わたしはどんなに瀬戸内くんが苦痛の表情を浮かべていようが
耳を抑えていようがなかろうが
アラームのごとく叫び続けた。