冷酷男子の溺愛
わたしと彼の関係は、きっとただの同居人。居候。にしかすぎない。
もう、友達にさえ戻れないような気がした。
「……」
だって顔をみたくても見れるわけないし。
声が聞きたくたって話せるわけない。
泣きたくなった。
今のわたしから瀬戸内くんがどれだけ大きな存在になっていたかを実感してしまって。
「……」
広がる、静けさ。
彼の優しさに触れるたびに、とめどなく膨らんでいく恋心に
わたしは永遠と気づかないフリをしていたかった。
自分に誤魔化したまま、たとえ彼に伝えられなくても、いつまでもこの場所で一緒に笑え合えるのなら、それでよかったのかもしれない。
昼間なら前向きになれる気持ちも、夜ひとりになると、どうしても後ろ向きになる。
ベッドに横になりながら、わたしはただ黙って涙を流し眠りについた。