冷酷男子の溺愛




その「THE.優男」的な対応に、一瞬ドキドキしそうになる、っていうかした。


だけど、なんだかそんなの、悔しくて。



「……もうなんなの、雅稀のくせに生意気、ムカつく、ハゲ散らかれ、馬鹿」

「えー、マジ意味わからん、俺いいことしか言ってなくね?」


「……本当うるさい、黙って」



照れ隠し。わたしの口は開けば可愛くないことばかり言う。




彼は。

友達以上、恋人未満。

好きだけど、そういう好きじゃない。


すごく、大切な、人。



「はははっ」

声を出して、君が笑う。

目尻を下げて、くしゃっと。





それは、ずるいって思うんだ。



わたしはまだ幼少期のひょろっこいモヤシみたいなキミを知っているからいいものの、他の人だったらすぐに惚れられるレベルだよ、キミ。



イケメンのくせに笑顔が可愛すぎるなんて、強い武器をお持ちで。将来は年上キラー確定だね、はいバンザーイ。



「 知奈 」




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