冷酷男子の溺愛






────わ、けがわからない、よ。


怒ったり、泣きそうになったり。


普段、あまり感情を表に出すことのない雅稀が
今日は様子がおかしかったから。






────わたしまで、おかしくなる。




雅稀はどうして、謝るの。



わたしがいつまでも未練がましいのがいけないし


そもそも、毎度毎度泣きついたりしたら


誰だって、頭にくるのは当たり前。





ごめんね、雅稀。

謝るのはわたしの方。




ごめんね、きっと優しいキミのことだから、自分を責めてるよね、ごめん。




雅稀に甘えっぱなしだった。

甘えたらダメとか言っておいて、もうすでにたくさん甘えてた。


なんだか、矛盾してるよね、ごめんね。



だから、だからね、今回だけは、自分の力で解決しようと思ったの。


これ以上迷惑をかけたくないと思ったのに。
それが見事に裏目に出てしまった。





そして、また、大切な人と隔たりができてしまう。


どうして、いつもこうなるのだろうと悩むと、ひとつ、思い当たることがあった。




────わたしは大切な人はみんな目の前からいなくなってしまうと言ったけど


そうさせてるのはいつも、「自分」





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