冷酷男子の溺愛
会いたくない。いや、合わせる顔がない。
告白なんて、自分からすることはあっても、されるなんて慣れていないもの。
どんな風に接すればいいのかとかわかんないし、もはや考えるのも面倒くさいよ。
さまざまな気持ちをかかえ、悩み抜いているうちに、まるで嘘かのように、夜は明けた。
────翌日。
しかたあるまい。ぶつぶつ言いながらも身支度を済ませる。
だってたとえどんなに彼の顔を見たくなくても、一応皆勤賞なわけだし、休みたくないんだもん。
っていうか、別にクラスくらい一緒だからってきっと気まずいのはお互いさまで話しかけてなんか来ないから大丈夫だと思われる。
わたしは余裕を見せて学校へと向かった。
────しかし、学校に着いた直後、わたしは甘かったのだと悟る。
『知奈、明日委員会あるってよ』
──────── 委員会。
今日に限って、所詮名だけの環境委員会が存在していたのだった。
隣には、雅稀の姿。
(チッ、なんだ、この気まずさは、もう逃げたしてしまいたい)