冷酷男子の溺愛

悲しみと哀しみと焦りと不安。

ありとあらゆる感情が、ごっちゃごちゃになってわけがわからない。




そんな時に



「知奈、そろそろ挙動不審すぎてキモい」

「え」



いつも優しい、雅稀までもが



「あきらかに変人」

「え」



けなしてくるから。






「もはや同じ人間とは思え」


「────うわぁあああん」







わたしは、もう、精神崩壊だ。




いきなり泣きわめく。



そして、その瞬間、彼はまるで目を疑うかのようにギョッとした。






「────うわぁあああん」

「え、嘘でしょ」



まるで、ナイアガラのたきのごとく溢れ出る涙。






「え？え？ごめん、ごめんね？」



────そして彼はやっと自分が犯した重罪に気づいたらしい。