冷酷男子の溺愛
「ま、悠に知られたらヤバイだろうな、
たとえただの居候だとしても」
「───で、ですよね」
結局、洗いざらい吐かされて
わたしの精神はもう、もちそうにもない。
「ねえ、ゆっちゃん。わたしどうしたらいい?」
ガバっと机に顔を伏せ、
最後の綱である、ゆっちゃんにすがりつく。
「……それは自分で考えろよ。
まあ、せっちゃんとかそういうのはマジでいらねえからな」
そんな簡単な嘘に騙される
単純なヤツはあいつぐらいだろ
とゆっちゃんの目線をたどると
「……犬かあ!チワワかな?
……んっと、それともダックス?」
と、完全にわたしの嘘を信じきっているナミ。
バスケ一筋、いつでも冷静なイケメンゆっちゃんと
派手な化粧で軽そうに見えるけど、
本当は誰よりも純粋なナミ。
まるで正反対なふたりだけど、
「ま、なんかあったら手を貸すからすぐに言いな」
困った時には手を差し伸べてくれる大切な存在だったりする。