冷酷男子の溺愛




「やだやだ行かないで」

「────っ」




知奈はズルいね、って、彼はいう。


俺のものになってはくれないのに、はっきりと切り捨ててもくれない。


そうやって俺を必要とするたびに、俺がどれだけ嬉しいか、わかる?





「……だって、」

「本当、わがままなお姫さまだ」



彼は八重歯を見せて笑った。






「────俺は、どこにも行かないよ」





キミの優しさに、わたしはいつだって救われた。












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