冷酷男子の溺愛
その大切な人がわたしの背中を押してくれたんだから。
わたしね、もう、怖いものは、ないよ。
ーーー
「……ぐおっ」
珍しく、アラーム無しで起床して。
「……いただきます」
珍しく、朝からちゃんとした朝食を食べて。
いつもとは違う、新しい朝を迎えて、とても清々しかった。
(一番に学校に行って、瀬戸内くんを見かけられればいいな)
たとえ、彼との距離が離れているとしても、もう一度、近づきたい。
今はまだ話しかけられなくても、顔が見たい、声が聞きたい。
もう、目をそらしたくない。
「……」
こうやって、もう一度彼への気持ちに向き合えることが、嬉しかった。