冷酷男子の溺愛
それでもめげないケバ子’s
やっぱり伊達にアイドルやってない!
「……暇ならさ、この後あたし達と「暇じゃない」
やっと声を出したかと思いきや、
彼の声は、とてつもなく低く、ドスが効いていてケバ子’sの声を一蹴した。
そして静かに顔を上げて、彼女達の視線に合わせる。
いや、睨みながら、という表現の方が正しいかもしれない。
「──── 触るな、俺に、近づくな」
冷ややかな目をしていた。
何かを遠くに見据え、
視線は彼女たちを見ているのにまるで見えていない。
それからフッと鼻で笑ったかと思うと
「そんなに暇なら……鏡でも見てろすごく汚れてるから」
彼女たちの顔を指差し、
低く低く言い放った。
「────」
わたしを含む、クラスメイトたちは
彼の薄気味悪い笑いに
顔が青ざめていくのを感じた。