冷酷男子の溺愛






また毎週のように、美菜が来る日を待ちわびていた。

そんなある日の木曜日。



「……驚くだろうな、あいつ」


俺は、顔に笑みを浮かべて、刻々と指定された時間になるのを待っていた。


その日やる予定だった勉強の範囲をすでに終わらせて


そして、机にはあいつの好きなチーズケーキが置いておいた。




───そう、今日はあいつの誕生日。



いつもいつも、してもらうばっかだし、っていうか俺の誕生日の日もなんかプレゼントもらったから、一応。


家に来たら、ビックリさせて、ちょっと喜んでくれたらいいな、なんて思って、楽しく過ごそうと思ってた。





「───來っ、」



でも、家に来た彼女は、泣いていた。




「……どうしよっ、ねぇ、來、あたしどうしたらいいのかなっ」


「もうね、あの人のこと、わからないの」





付き合っている人に、彼女がいて、しかも自分は浮気相手だった……らしかった。








< 247 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop