冷酷男子の溺愛
また毎週のように、美菜が来る日を待ちわびていた。
そんなある日の木曜日。
「……驚くだろうな、あいつ」
俺は、顔に笑みを浮かべて、刻々と指定された時間になるのを待っていた。
その日やる予定だった勉強の範囲をすでに終わらせて
そして、机にはあいつの好きなチーズケーキが置いておいた。
───そう、今日はあいつの誕生日。
いつもいつも、してもらうばっかだし、っていうか俺の誕生日の日もなんかプレゼントもらったから、一応。
家に来たら、ビックリさせて、ちょっと喜んでくれたらいいな、なんて思って、楽しく過ごそうと思ってた。
「───來っ、」
でも、家に来た彼女は、泣いていた。
「……どうしよっ、ねぇ、來、あたしどうしたらいいのかなっ」
「もうね、あの人のこと、わからないの」
付き合っている人に、彼女がいて、しかも自分は浮気相手だった……らしかった。