冷酷男子の溺愛






「……また彼氏に浮気されたから、もういっそ來と付き合おっかな」



当たり前のようにこいつには彼氏がいて

俺はその寂しさを埋めるだけの存在でしかなかったのか。


何だそれ。



そして、不意に。


───ちゅっ、と唇を合わせられる。



「……ふふっ、來、嬉しいでしょ」



突然の出来事についていけず、言葉が出て来ない。あるのは感情だけ。


───計り知れないくらいの、悲しみと絶望感。



だけど、どの感情よりも



「…………汚い、触んな」





彼女に対する嫌悪感が勝っていた。



自分だって、彼氏だと思っていた人に裏切られて、泣いてたくせに、平然と同じことが出来る神経。


まず無理。





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