冷酷男子の溺愛






……汚い、無理、マジ無理、近寄んな。




「……ねえ、來っ」


俺の反応が思っていたのと違っていたのか、少し焦って、必死に甘えたような声を出す。




やめろよ。

もう、無駄なんだよ。



お前の声なんか、もう、


……吐き気しかしねえんだよ。




「───なあ、もう消えてくれよ」


苛立ちで、声がかすれた。




愛しかった人、は。

一瞬にして、憎しみの対象に変わる。



恋しかった人は。

一瞬にして、拒絶の対象に変わる。






───女なんて、所詮こんなもんだ。



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