冷酷男子の溺愛
「……わかったから、もういい加減泣き止んで、うるさい」
「……え?ひどくない?昔もっと優しくなかった?嘘でしょ?」
彼女は俺の初恋だった。
愛しいという感情だけでなく、恋の苦しみ、もどかしさを、教わった。
決して、楽しいことばかりではなかったけど、それでも、彼女と過ごした日々は
明日を生きる、糧になる。
「……俺、美菜のこと、本気で好きだったよ」
支え合って、傷つけあって、憎んで。
それでも、すべて、自分の力になる。
「……あたしも、信じてもらえないとは思うし、今更こんなこと言ってもいいわけにしか聞こえないと思うけど。
──────好きだったよ」
何においても、無駄なことなんて一つもないんだって
わかったよ。