冷酷男子の溺愛
あの、公園で。
俺たちは、静かに、別れた。
スマホを見ると美菜から10件の着信があって、
あれ、着拒したのにおかしいなと
少し怖かったけど、きちんと気持ちを整理することが出来たし、良かったと思う。
「……ふう」
まったく、微動だにしない、背中の小娘には正直驚きを隠せないけど
きっと、目の前に食べ物でも置いたら、即起きるんだろうなと思うと笑えた。
ーーもう、いいんだよな。
自分の気持ちに素直になっても、いいんだよな。
また裏切られたらって思うと、怖くて、一歩を踏み出せなかったけど
この人なら大丈夫だって人を、見つけたから。
もう、正直になることにする。
知奈の家を出てから、いろんなことを考えた。
あいつは、普通にいい奴だから、俺なんかが付き合っちゃいけないんだ、とか。