冷酷男子の溺愛




あの、公園で。


俺たちは、静かに、別れた。



スマホを見ると美菜から10件の着信があって、
あれ、着拒したのにおかしいなと


少し怖かったけど、きちんと気持ちを整理することが出来たし、良かったと思う。





「……ふう」


まったく、微動だにしない、背中の小娘には正直驚きを隠せないけど


きっと、目の前に食べ物でも置いたら、即起きるんだろうなと思うと笑えた。




ーーもう、いいんだよな。


自分の気持ちに素直になっても、いいんだよな。


また裏切られたらって思うと、怖くて、一歩を踏み出せなかったけど


この人なら大丈夫だって人を、見つけたから。


もう、正直になることにする。





知奈の家を出てから、いろんなことを考えた。


あいつは、普通にいい奴だから、俺なんかが付き合っちゃいけないんだ、とか。






< 263 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop