冷酷男子の溺愛
未来なんてまだ先のこと、わからない。
でもね。
わたしとあなたなら、どうでもいいことでも言い合いをして、笑い合えてる気がするの。
くだらない動画を見たり、一緒に料理をしてみたり、なんてことない日常が、想像できるの。
結婚したら苗字が一緒になっちゃうから、今度こそちゃんと名前で呼ばなきゃな、とか。
子どもが生まれたら、きっと彼はものすごく親バカになるんだろうな、とか。
幸せな日常が、浮かんでくるよ。
「……なに笑ってんだよ」
「ふふ、内緒」
未来なんてわからないって言っといてあれだけど。
どうやらわたしには、あなたとの未来しか想像できないみたいだから
薬指をあけて、待ってるね。
────冷酷男子の溺愛【完】